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少し前に見た舞台の感想です。 先月5月、舞台「黒蜥蜴」を観てきました。 主演:美輪明宏、木村彰吾 江戸川乱歩原作・三島由紀夫脚本。 名探偵・明智小五郎の世界です。エログロで、デカダンスな世界。 それが、まさに眼前に広がっていました。 なんて怪しげで、なんて煌びやかな世界! 登場人物がよほど溶け込まない限り、この嘘くさい世界観(言葉が悪くてすみません)をリアルに見せることは出来ません。 しかし、舞台はその世界に満ち満ちていました。…それも濃厚に。 明智役の木村さんの力強い台詞回しは自信に溢れ、大仰な演技に微塵の躊躇も無く、それが場を包み込みます、うん、明智小五郎はこうだよね、と。心地よいトリップ感。 刹那、昭和のTVドラマを思い出し---。 中盤の舞台の入れ替えは大胆で、かつ、とても分かりやすい構成でした。山ほどの場面転換があって混乱するかと思えば、シンプルに物語は進行していく。そして終盤にあらわれるセットのあまりの美しさ!! はー。 …いやはや堪能しました。大満足です。 間違いなく、すべては三輪さんのチカラでした。 あの人が「この世界」を信じている----いや、内に「秘めている」から、ここにそれが現出している。 舞台というのはそもそもそういうものです。演者の、監督の、誰かの圧倒的な世界観が、そこににじみ出る。「その人」が信じてやまない世界が、現れる。 乱歩も三島由紀夫も三輪さんは誰よりも深く知っている、その美学を知っている。 言葉の中に意味を見いだし、己が吐いた概念・イマジネーションに深く縛られてこそ、自我を持つ自分たちが生きる意味だと、信じている。 そんな者達の息づく世界。 打算的で、唯物的な現代人へのカウンターです。 僕は三輪さんの舞台を観るのはこれが初めてでした。 しかし、とても素晴らしかった。 あの方が、自分の周りに才能のある者を集める(あるいは引き寄せられる)のもよく分かりました。 そうか、そういうことだったのかと、合点した感じ。 バレエ、歌舞伎、コンサート----人の世にたしかに異世界は存在します。 僕はもうしばらく、この異世界探検を続けてみようと思います。 必ずや、自分の漫画に、反映できると確信して。 ちなみに僕はこのときがテアトル銀座の劇場の初体験でした。 まさか、こんなに素晴らしい劇場が終わってしまうなんて、と 相方とあまりのショックにこのあと別の舞台を予約したのでした。 その感想はまた、後ほど。
by takafumi_adachi
| 2013-06-12 02:19
| エンタメ
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