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もう先々月のことになりますが、パリオペラ座バレエ「天井桟敷の人々」を見ました。 クラシックよりモダン、しかしコンテほど堅くない。物語のある舞台として、より演劇的な側面が強調されたのがこの作品の特徴、です。 ストーリーは複雑だと言われますが、あってないようなもので、男と女が出会い、引かれあい、そして別れていく…という非常に直情的なもの。そこに社会的な倫理・道徳観念を持ち込まないのがいかにも自由の国・フランス流ですね。ほとんど思考を必要とせず見ることが出来ます。 舞台の中に舞台役者の物語が展開される入れ子構造もとても面白かったです。 光と影の演出、大胆な心象表現、パズルのように組み合わさりめまぐるしく姿を変えて行く舞台装置は美しく…しかし過度に人物を埋没させない非常にシンプルにもので、とても好感が持てました。むしろそれらはダンサーを強調するためのもの。 ライトアップされたマチューは絵になったなぁ。うんうん。 開演前に出演者がパフォーマーとして劇場入り口を出入りしたり、幕間にロビーで劇中劇の「オセロ」が演じられたりと、公演そのものが非常にサービス精神に溢れていました。 ネットを散策すると、演出の関係から「これはバレエというより演劇だ」、という意見をチラホラ見かけました。しかし、 いえいえ、役者は皆しっかりバレエのステップを踏んでいましたし、「肉体」が舞台を掌握し、マイムでドラマを表現して観客を魅了していましたよ。 これはまごうかたなき「バレエ」そのものです。その延長線上にある舞台演出。 昨今のロイヤルなどではシルクドソレイユの影響か、過剰に舞台装置のデコレーションに凝ったり、過剰な着ぐるみに身を包んだり、パの少ない演劇的な動きが見られたりするのですが(否定的な面だけではなく、これらはこれで大胆な進化と挑戦として評価します)、この「天井桟敷~」にそこまでの脱バレエ感は見受けられませんでした。 美しい情感とともに、ライトアップされるダンサーの肉体。そのテクニック。 これこそバレエの醍醐味というものでしょう。 あ、ちなみに、今回のロイヤルオペラハウスの「不思議の国のアリス」は、市販DVDに収録された以前のものに比べるとかなり手を入れてきているようです。ロンドンで最新の公演を見た身内から聞いた話では、かなりバレエ(ダンス)色も強まっているとのこと。これは楽しみ! ロイヤルファンは今月、目が離せないんじゃないでしょうか?? ともかく5月のこの日は、また一つ心に残る素晴らしい作品に出会えて、大変ホクホクした一日でありました。
by takafumi_adachi
| 2013-07-02 01:06
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